住まいの選び方

第一回「ペット可賃貸住宅」と「猫共生賃貸住宅」の違いって何?

投稿日: 2026年9月10日 最終更新日: 2026年9月10日
キャットウォークとキャットステップのあるリビングでくつろぐ2匹の猫

猫と暮らしたい。猫のことを知りたい。でも、何をすればいいか分からない——。そんな疑問を、猫と暮らす住宅を300件以上設計してきた「猫清水」こと清水満さんにぶつけていく連載です。

質問者はみさきさん(仮名)。20代の会社員で、猫と暮らすのは初めて。不安はいっぱいです。

清水満(しみずみつる)
清水満(しみずみつる)
株式会社ネコアイ代表・猫楽家・一級建築士・愛玩動物飼養管理士

住宅・商業施設の設計や大規模マンションの環境監修を経て、2010年から猫と暮らす住宅の設計を始める。実績は300件以上。(公社)日本愛玩動物協会『ペット共生マンションの適正化推進ガイドライン』監修。『ねこ検定』の立ち上げに関わり、第9回まで総合監修を担当。自身も猫4匹と暮らす。愛称は猫清水。

みさき
みさき

清水さん、初めまして。今、猫と一緒に暮らすために賃貸物件を探しているのですが、賃貸住宅の情報サイトを見ても「ペット可賃貸」はあるものの、内容がよく分かりません。友達に聞くと「猫共生賃貸」というものもあるそうなのですが、どこが違うか教えてください。

猫清水
猫清水

みさきさん、初めまして。初めて猫と暮らす住宅を探しているのですね。きっと不安や戸惑いもあるでしょう。二つの決定的な違いですが、ペット可は「ただ猫や犬を飼ってもいいと特例として許可された物件」、猫共生は「最初から猫と暮らすために設計された物件」です。

清水満(しみずみつる)
みさき
みさき

猫と暮らすために設計された物件があるのですね!じゃあ、どんな猫の設備があるのですか?キャットウォークとか?

猫清水
猫清水

猫共生物件というと、キャットウォークやキャットステップが付いている部屋を思い浮かべる人が多いと思います。でも、一番に確認してほしいのは、玄関ドアや窓から猫が脱走しない対策をしているかどうかです。

清水満(しみずみつる)
猫清水
猫清水

せっかく猫と暮らすことを楽しみにしていたのに、肝心の猫が脱走してしまったら、猫共生賃貸を借りた意味がなくなりますよね。

清水満(しみずみつる)
みさき
みさき

内見に行くと、派手なキャットウォークに目がいきます。キャットウォークを歩いている猫を想像すると、わくわくしちゃいますね。テンション上がっちゃいます。でも、脱走防止対策がしてあるかが一番大事なのですね。他にはどんな設備があるのですか?

猫清水
猫清水

みさきさん、キャットウォークに気を取られすぎないで、人間の設備の確認もきちんとしてくださいね。他の猫用設備は、ドアを閉めていても行き来できる猫専用くぐり戸や、猫のトイレ置き場があったりします。建材としては、猫が滑りづらい床材や、傷に強い対応をしている機能性クロスを壁に貼っている物件もあります。

清水満(しみずみつる)
みさき
みさき

猫のために色々あるのですね。ちょっと待って! そんなに猫のための設備や建材があったら、家賃が高くなりますよね。

猫清水
猫清水

そうですね、猫仕様にする材料費や人件費などが掛かっていますから。まだまだ日本ではペットと暮らす賃貸住宅は少なく特殊なので、家賃は近隣の相場よりも高くなります。また、敷金や礼金を多く取る物件も多いですね。ちなみに、ドイツで暮らす友人の獣医師から聞いた話ですが、ペットと暮らせるということで家賃に差はつけられないそうです。

みさき
みさき

私のお給料で猫と暮らしていけるのかな……。心配になってきました。

猫清水
猫清水

毎月の暮らしの支出と、新しい家族の猫のための支出、家賃のバランスをよく考えて決めてくださいね。初期費用がどれだけ必要かも忘れずに。決めるときは、頭数制限も物件によって違いますから必ず確認を。ペット可は一匹までが多いですし、猫共生は二匹までが多いですね。物件によってはそれ以上飼えることもあります。契約時には、賃貸借契約書の他に猫専用飼養規則や猫飼養申込書(猫住民票)などがあったりします。これらの書類がある物件は、猫共生賃貸としての信用度が高いと判断してもいい一つの基準になります。あと、退去時の原状回復の条件も忘れずに確認してください。

清水満(しみずみつる)
みさき
みさき

ありがとうございます。猫と暮らせる嬉しさで浮かれてるだけじゃダメですね。勉強になりました。

猫清水
猫清水

猫共生物件といっても、駅から遠い、築年数が古いなど、悪条件をごまかすだけの見せかけの物件もありますから、慎重に探してくださいね。猫と暮らすことは楽しいし、きっとあなたの人生を豊かで幸せなものにしてくれます。これからの猫ライフを応援していますよ。

次回は「猫の脱走防止対策」について詳しく説明します。

この記事の執筆者
shimizu shimizu
shimizu

株式会社ネコアイ代表取締役。
元「ねこ検定」総合監修を務め、猫共生住宅の分野を牽引してきた猫専門建築士の第一人者。
猫の習性と建築設計を掛け合わせた独自の空間デザインに定評があり、住宅・マンション・賃貸・リフォーム・猫専用ホテルまで全国から依頼が寄せられる。
豊富な実績と専門知識をもとにメディア出演も多数行う、猫専門建築士として高い評価を受ける専門家。

LINEで相談 フォームでお問い合わせ お問い合わせ